【思い出をカタチに】余った真珠の珠を活き返らせる。極細ゴールドで仕立てる、世界にひとつのシンプルパールのピンキーリング

ジュエリーボックスに、「どうしようかな……」と眠ったままになっている“小さな宝物”
今回ご相談いただいたのは、まさにそんなお悩みから始まった、ジュエリーリフォーム案件。
「小袋に眠っていた真珠、何か作れますか?」
大切そうに持ってきてくださったのは、小さな小さな小袋。 中にはコロンとした上品な光沢を放つ、美しい真珠(パール)の珠がいくつか入っていました。
「以前、真珠のネックレスを購入したときに、自分の首回りに合わせて少し短く調整し、その時に残った珠をこうして小袋に入れて保管していたのですが……気づけばそのまま何年も経ってしまって。これって、何か別のアクセサリーに作り変えることはできますか?」とのこと。
ネックレスの長さ調整で余ってしまう真珠の珠。実はこれ、同じようにおうちに眠らせている方がとっても多いのです! ネックレスとして使われている一級品の真珠だからこそ、そのままにしておくのは本当にもったいないですよね。
お客様のライフスタイルや普段のコーディネートを伺う中で浮かび上がったデザインは「毎日カジュアルに身につけられる、極細アームのシンプルリング」。

最初のステップは、真珠たちのコンディションチェックと下準備です。 ネックレス用の真珠には、もともと糸を通すための小さな穴が開いています。今回はその穴をそのまま活かしてリングに仕立てるため、まずは穴の周りや内部に残ったわずかなバリなどを、リューターという専門工具を使って綺麗にクリーニングし、整えていきます。職人の指先感覚だけで行う、とっても繊細な作業です。
3Dシミュレーションで広がる理想のイメージ
デザインの方向性が決まったら、次は「どんな雰囲気になるか」をお客様と一緒にワクワクしながらカタチにしていきます。 私たちがご提案したのは、細い金属の線が真珠を優しく包み込むような、ミニマルで洗練されたデザインです。

「細い指輪がいいけれど、強度は大丈夫?」「実際に指につけた時のバランスは?」そんな不安を解消するために、専用のCADソフトを使って4方向からの3Dシミュレーション画面を作成しました。こうして立体的に見ることで、仕上がりのイメージがぐっとリアルになります。
さらに、ジュエリーの印象を大きく左右するのが「金属の素材(カラー)」。

今回は、肌馴染みがよく華やかな印象の「K18イエローゴールド」と、凛とした上品な輝きを放つ「プラチナ」の2種類のイメージ。 それぞれの魅力を3D画面上で見比べながら、「普段の洋服にはどっちが合うかな?」とお話しする時間は、オーダーメイドならではの本当に楽しいひとときです。
じっくり悩まれた結果、今回は真珠のまろやかなホワイトをより引き立ててくれる「K18イエローゴールド」で製作を進めることになりました!
極細1.0mmの美しい曲線
素材が決まれば、早速製作工程へ進んでいきます。 使用するのは、なんと直径わずか1.0mm(1.0㎜φ)という、究極に細いK18の丸線です。

この細い金を、お客様の指のサイズに合わせて一本ずつ丁寧に丸めていきます。真珠を通し、両脇のアームが真珠のカーブにピタッと吸い付くように沿わせるクランク部分の曲げ加工は、まさに熟練の技! まだ完全に繋がっていない制作途中の状態ですが、すでにゴールドの凛としたラインと真珠の上品さが絶妙にマッチしていて、スタッフからも「可愛い…!」と思わず声が漏れてしまいました。
そしていよいよ最終仕上げへ。 指輪として一本に繋げるため、リングの下側のわずかな隙間を狙って、ピンポイントで「ロウ付け(溶接)」を行います。非常に細い線のため、熱の入れすぎは厳禁。一瞬の集中力で綺麗に接合させます。
ついに完成!世界にひとつの特等席
丁寧に磨き上げられ、ついに完成したリングがこちらです!

小袋の中でひっそりと眠っていたあの真珠が、こんなにもスタイリッシュで愛らしい主役リングに生まれ変わりました! 1.0mmという極細のK18アームは、つけていることを忘れてしまうほど軽やか。でも、指先で確かな存在感を放ちます。お手持ちのリングと重ね付けしても素敵ですし、ピンキーリング(小指用の指輪)としてさりげなく身につけるのもとってもお洒落です。
タンスの奥や小袋の中で眠っている思い出の真珠や天然石。 小さなパーツでも、アイデアと職人の手仕事があれば、毎日の暮らしを彩る最高のジュエリーへと生まれ変わります。「これ、何か作れるかな?」と思ったら、ぜひお気軽にアトリエまでご相談くださいね。あなたの大切なストーリーを、一緒にカタチにしてみませんか?


