第10回;- 少数派ながらデジタル環境を取り入れた眼鏡業界の取り組み-   (業界新聞コラム 11/25号)

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“業界新聞”

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  今年でなんと70周年を迎えて 850号を超えています
編集長の長谷川 修一氏はいわば この業界の”生き字引ってところです。


今回の-業界新聞コラム-は、これっ!

(以下本文↓)

– 少数派ながらデジタル環境を取り入れた眼鏡業界の取り組み-   

 

 

これまで、デジタル環境でのジュエリー製作事例をお話してまいりましたが、

今回は、眼鏡業界での活用の取り組みを㈲咲和惟(サキワイ)の三枝克之氏(福井県 鯖江市)に話を聞いてみました。

大山:三枝さん、Facebookもいつも楽しく拝見しています

三枝:大山さん、こちらこそ、いつもありがとうございます。大山さんの3D記事 や、周りの人といろんなものをつくっている楽しそうな写真に、刺激を受けてい ます。思いかえすと、2年前の夏に、大山さんのブログを見て高松に寄せていた だきました。以前鯖江で開催した3D-CGの展示会にも大山さんにデータで参加し ていただきましたね!

大:「鯖江=眼鏡」私の中では職人さんの街!と強烈なイメージなのですが・・ どうなんでしょうか。

三:たしかにそのとおりです。ただ、デジタルの技術も、鯖江では少数派かもし れませんが、メーカーさんを中心に、多くの加工で活用されています。メーカー さんの多くで、デザインや設計にCADを使っています。いろんなフレームがあり ますが、直接削る場合も、金型でも、形を決める加工では、多くの企業さんが CADでおこした図面やデザインを使い、NCを使って削り出します。その後の磨き では、手作業が活躍しています。

大:たしかに、メガネ自体もいろんな素材やデザインがあるので、工程も多い んでしょうね。製造でデジタルが適している工程はありますか?

三: 直接、アセテート樹脂の板を切り出して製作をするフレームでは、2D-CAD やイラストレータが使われます。高性能樹脂を成型するもの、金属で立体形状を つくるものは、3D-CADを使ってデザインします。大山さんのいうとおり、メガネ を作る方々は、それぞれの作り方にあわせて、自然と効率的な方法やソフトをそ れぞれに使っているようです。また、「デジタルだけ」で完結することはほとん どないです。

大:三枝さんは、鯖江の中では、どういうお仕事をされていますか
三:私のところでは、3Dデータの金型確認のための機械加工や、アセテートや成 型樹脂の切削の受託加工をすることがあります。製造以外では、3Dデータの製 作、3D-CADでメガネを描くためのスタッフ教育をすることがあります。ほかに も、メガネのカタログやポスターのためのCGづくり、NC加工・製造に関する機械 システム、フィッティングを検証、3次元的に動く機械設備の物理的なシミュ レーション、などを提供しています。どれも、デジタル作業が中心となっています。
同じような繰り返しが多くなってくると、プログラムを作って自動化します。企 業さんの「製造」や「企画」に、「デジタル」組み合わせて、データをつなげ て、価値が生まれることに絞っています。
大:そうなんですよね、デジタルツールって、いろいろデータでつながっていく 場面もあるし、人がつなげていく場面もあるし、欲がでますよね。

三:私も、大山さんのブログで指輪やペンダントのレンダリングCGや、指にはめ てみた様子がわかるスマホのアプリの画面を、興味深く拝見してます。私たちが 扱っている商品の違いはたしかにありますが、同じようなツールを使い、同じよ うな問題にぶちあたったりしていますよね。業界も地域もこえていろんなお話が できるので、楽しいです。

大:3Dプリンタはとくに、業界は関係なしに、みんな子供みたいなところからは じめられるので、眼がキラキラしますね。

三:安価な3Dプリンタは、おもちゃ的なところがあるんですけど、また工夫をし たり、情報交換をするのって、すごく楽しいですよね。。

大:楽しい一方で、仕事では難しいことも”突破”する力というのも、求められま せんか?

三:小ロットで生産ができるようなメガネで、最近取り組んでいることなんです が、ワークをきっちり把持して、高速に切削加工ができ、その後の研磨にも能率 の良い「形状」を模索しています。
切削加工では工具の半径や長さ、方向、加工時間の短縮、また、切削後の磨き工 程を考えて、曲面や曲率を分析していく必要があります。なかなか人が3Dモデリ ングで全てを試行錯誤していると時間がかかりすぎるため、おおざっぱな意匠は 人がおこなうようにして、部分的には3D-CAD内のプログラムを製作して半ば自動 でモデリングをおこなうようにしました。
あとは、加工機を改良をすれば上手く稼働できると思います。

大:生産や効率化のお仕事が多いですか?

三:そうです、たしかに、メガネでは、技術、職人、生産といったお仕事を依頼 されることが多いです。
一方で、私からは、真逆の、時間や手間をかけたプロジェクトを、みなさんにお 勧めしています。「個人的で、無駄に情熱的なエッセンス」のあるものが、私は 本当に好きなんです。

大:今後の課題や方向性のようなものはあるでしょうか?

三:デジタルツールを使うと、仮想的なデザイン・アイディアから、現実のよう な絵がつくれ、非常に便利なものです。しかし、そこで終わらずに、そこから現 実へのアプローチが可能になるので、その工夫、観察を大事にしたいと思ってい ます。
手元に現実の人の頭や体を、立体的に計測・撮影しデジタルデータをつくれる 「人の3Dスキャナー」があるのですが、CADでデザインしたメガネや衣類を、現 実の人にフィットさせてみています。デジタルデータだけでは分からなかったこ とが分かります。
特に身につけるものは、デジタルデータから3Dプリントするなどして、手に取っ てみると、サイズ、心地よさ、危なくないか痛くないか、など、画面からは汲み 取れなかったことが分かります。
いろいろな切り口はあると思いますが、人物の3Dスキャン、3D-CAD、1枚NC生産 を組み合わせたメガネフレームが、今後出てきます。
将来、お店では3Dスキャンの機材をそなえ、工場やデザイナーさんと直結して、 購入者と直接コミュニケーションをとって、ちょっとした希望をかなえてもらえ る、「素敵な想像と創造ができる場所」になるかもしれません。

 

取材先;有限会社 咲和惟( SAKIWAI Inc. )
代表取締役;三枝克之 氏
所在地; 〒916-0019 福井県鯖江市丸山町1-5-5.
TEL, 0778-51-6859. FAX, 0778-51-5875

http://sakiwai.net/


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(※業界新聞社;香川県坂出市駒止町2丁目5番43号/TEL・Fax;0877-46-5384/編集発行人;長谷川 修一)

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